Auckland ダイアリー

皆様ご無沙汰しております。引っ越しの際は大変お世話になりました。本当にありがとうございました!遠くなりますが、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

カンタベリー大学での孤独死

カンタベリー大学の学生寮で、死後8週間近く経った学生の死体が見つかったというニュースがありました。日本でも報道されているようですね。

この国は収入に対する家賃の割合が高く、収入の8割、9割が家賃だよ、と言っている人はザラにいます。ワーキングホリデーで来た日本の若者たちも、アルバイトでは暮らしていけない国、と話していました。

さて、この事件があった学生寮も、授業のある年間41週間で、16,400ドル(今のレートが1ドル、70円くらいなので、115万円くらいでしょうか。高いですが、三食付きで相談員のようなスタッフも2人常駐(108部屋に対して)ということなら、納得できる価格かもしれません。

日本のニュースでは報道されていないようですが、この寮は、Sonoda Christchurch Campusという名前で、この「そのだ」というのは兵庫にある園田学園女子大学が英語研修をする施設であることと関係があるようです。寮の運営はオーストラリアに本社のあるCampus Living Villegesという会社で、大学の広告には、大学生活をしっかりとサポートし、寮生の間の交流もあり、といった感じで、初めて親元を離れて暮らす学生には安心な住居であることが宣伝されています。

でもニュースによれば、寮の運営は雑で、インタビューされたある学生は、「相談員とは、食堂や廊下で週一回くらい見かける程度」と話しているそうです。大学の綺麗なウェブサイトには、適当にいい事しか書かないのは当然ですが、大学入学でウキウキしていると素直に信じてしまうんでしょうね。

今回の青年がどのように見つかったかというと、この学生の義父が、息子と連絡が取れないのを不審に思い、息子の友達に尋ねたりしていたらしいです。最終的には他の寮生が異臭に気づき、部屋を開けて発見されたそうです。この学生の部屋は廊下の一番奥の部屋だった、ということも見つかりづらかった理由の一つかもしれません。

ひょっとするとこの義父が警察に相談していた可能性もあるのですが、確認は取れていないということです。警察の仕事ぶりについては、あまりいい話は聞きません。オークランド内でも「小売店が銃を持った強盗に襲われ警察に連絡をしたら3時間後に来た」とかいった話がざらにあり、このような警察の反応のなさから商店主たちで Crime Prevention Group というのを結成して活動しているようです。

それにしても今回の事件、友達がいなかったんだなあ、というのが寂しいです。大学一年だと、新しい環境と出会いに夢中になる時期ですから、友人の一人がいないことなんかに誰も気づかなかったのかもしれません。