Auckland ダイアリー

皆様ご無沙汰しております。引っ越しの際は大変お世話になりました。本当にありがとうございました!遠くなりますが、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

アメリカの教育について

最近、アメリカ人の子供たちをオンラインで教える機会がありました。

 

授業の中で、「アメリカの教育は生徒に自主的に深く考えさせる授業をするし、授業中に生徒たちはもっと質問をする」と多くの日本人が思っているけど、本当だと思う?と生徒たちに尋ねてみました。

色々な答えがありましたが、「やる気のない生徒もいるけど、授業はディスカッションが確かに多い」ということのようです。

クリティカルシンキングやディスカッションを授業に取り入れるのは、最近急に日本でも推奨されているようですが、今までの日本式の教育を受けてきた先生たちがそんな授業をするのは、かなり難しいと思います。「考える力をつける」という理想を共有していても、実際に考えさせる授業をするのは、技と経験が必要です。

 

また、多くの生徒がアメリカの学校の問題として挙げたのは、学校への予算カットの問題です。"Freedom Writers" や "Music of the Heart" といった映画を観ると、アメリカの学校の予算不足の問題が描かれていて少しは知っていましたが、中学生が問題点として挙げるほどに明らかな問題だとは知りませんでした。具体的には、今まであったフランス語の授業が予算不足で突然なくなったりするそうです。ちなみにある生徒の通う学校では、日本語とスペイン語は残されたそうです。また、黒人や有色人種が多い学校ほど予算削減がひどいとの事です。そういった学校環境が貧困の負の連鎖を引き起こしている、と説明する生徒もいました。

 

また、学校での銃乱射事件が多発しているので怖い、と話す生徒もいました。CNNの記事によると、2009年から2018年までの10年間でアメリカの180校で銃乱射があり、356人が死傷したとの事。全くバトルロワイアルの世界です。毎月のようにアメリカのどこかの学校で(小学校も多い)乱射事件があったら、それは怖いだろうと思います。日本にはない問題がアメリカにはあるんですね。

 

ところで、受講生の中にはホームスクーリングをしている生徒も多いのですが、学校に通っている生徒と比べて、社会への問題意識が薄い傾向があるように感じます。おそらく親は理念があってホームスクーリングを選択しているはずですが、子供が出会う人々は限定されてしまい、刺激が少ないということはあるかもしれません。