引っ越しました!
借りていた家がとにかく寒く、日差しが入る窓も一つしかなく、少々気持ちが沈む部屋でしたので、思い切って引っ越すことにしました。
私の賃貸契約は3週間前に家主に退室希望を伝えれば問題なく、敷金は政府の機関が預かり正当な理由がない限り敷金は全額返金されるシステムがあることなど、金銭的負担はほとんどないのは気が楽でした。
唯一、退室時にプロのカーペットクリーニングをしてもらい領収書を証拠として見せないといけない契約だったので、そのクリーニングに100ドルあまりかかりました。
家具はほとんど中古を買ったものでしたが、次の部屋は家具付きだったので売れるものは売ってしまいました。引っ越し先の洗濯機が汚かったので、洗濯機と売れなかったベッドを60ドルで運んでもらい、残りの荷物は自分の車で何回か往復して済ませました。子供達も良く手伝ってくれ、比較的楽な引っ越しでしたがそれなりに疲れますね。それから5ヶ月の間に増えてしまった荷物の量に驚きました。
オークランドに来てからのストレス源は高い家賃でした。物価も高いと思いますが、何より家賃はひどい高さです。
色々壊れて直してくれないボロ家ですが、毎週505ドル(1ドル70円から80円の間を推移していますので、35,000円から40,000円ぐらいでしょうか)。
間取りは2ベッドルーム。これで月に15万円近くの家賃ですから、心が折れまくってました。
でも、もう考えないことにしました。あれこれ物件を見て回りましたが、結局この家賃は安いくらいだったんです。ですのでもう、諦めるしかないですね。
最初このフラットに決めた時、ちょっと心が惹かれたのは暖炉があった点。でも薪を大量に勢いよく燃やさないと部屋は全く暖かくならなかったです。
暖炉も色々あるらしく、背後が垂直だと熱がすぐ上に行ってしまうので効率が悪く、ちょっとでも斜めに壁がなっているとその壁が熱くなって空気も温めてくれるらしいです。一番いいのは壁についている暖炉ではなくて、壁から離して置くストーブタイプの暖炉。
引っ越してきた時、ベットと洗濯機を『ニュージー大好き』というウェブサイトの掲示板で売っているのを買いました。
売ってくれた日本人とニュージランド人の夫婦は日本への引っ越しだったのですが、その夫婦が退出する部屋を掃除するのを私の娘が手伝いに行き、そのお駄賃として去年切って乾かしてある桜の木をバンのトランクいっぱいと、石炭や木屑を固めたものなどもいただきました。ヒーターも買わないといけませんでしたが、暖炉はその頂いた薪だけでなんとか冬を乗り切りました。
でも、暖炉は一酸化炭素や二酸化窒素を大気中に放出するので、環境には悪く、都市部の大気汚染の一番の原因になっているとのことです。
元々は、それなりに素敵な家だったんだと思います。でも、地盤沈下もそのままなので、床が傾いていて、場所によっては床に座って立ち上がるのによろめくくらい。
「安全性は大丈夫?」と工事に来た人に聞きましたが、よくあることらしく「とりあえずは大丈夫でしょう」とのことでした。これは、家を全体的に持ち上げて、基礎を補強する工事をして直すらしいですが高額な工事らしく、うちのケチ大家は絶対にやらないと思います。
家が傾いて沈下していっているので、リビングルームについていたはずのドア二つは外されていました。床に引っかかって、開かなくなってしまったのだと思います。
ドアがないと寒いので、その2箇所にシーツを暖簾のように垂らしたりしておりました。
この部屋は、一軒の家が五つの部分に分かれているものの一つなんですが、100年前の木造の家です。同じような構造の家がオークランドの中心部の周辺でよく見られます。このような家をvilla(ヴィラ)と呼ぶようです。人に聞いた話だと、オークランドの街が建築ラッシュだった100年前、工事のための労働力となる職人たちが多く集まり、その労働者のための下宿屋や小さい家族向けの住居が多く建てられたそう。私たちが住んでいた建物もその一つのようです。
この部屋のようにボロい家は多いようで、行政も対策を講じているようです。例えば、今年の冬までに、全ての賃貸住宅は床と天井に断熱材を入れないといけなかったので、この家も工事をしていました。
2023年7月までには、全てのタイプの賃貸住宅で、リビングルームが常に18度以上になるように暖房器具を取り付けることが義務付けられています。暖炉のように効率の悪い暖房は認められなくなります。
余談ですが、heat pumpという言葉をよく耳にしていて、温水設備のことかな、と勘違いしていましたが、日本でいうエアコンのことでした。