Auckland ダイアリー

皆様ご無沙汰しております。引っ越しの際は大変お世話になりました。本当にありがとうございました!遠くなりますが、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

WWOOF で大変だった話の続き

今回のウーフホストの男性の話の続きです。

最初から、かなり変わった人ではありましたが、基本的にいい人だと思っていました。

少々非常識な発言や行動があっても、それを打ち消すような優しい行動があったりするのです。今から思い返すと、典型的なDVの心理パターンに私が陥ってしまっていたかも知れません。

しかし、シングルマザーの私としては、奥さんが不在の家に泊まりたくはありませんでした。何しろ、全く知らない人の家ですから。彼は奥さんが不在、と言うことを意図的に事前に言わなかったのでしょう。

酒とハーブ系のものをやたらと勧められましたが、一度ワインを飲んだ以外は断り続けました。本人はおそらくアル中だと思います。ニュージーランドは酒が高いので、私も自分用の酒を買わないくらいですが、このホストは朝から晩まで何本もビールを飲み、運転もします。

自分で、精神的に参っている、と言う話をしたのは2日目の晩だったと思います。3年前、自分の目の前で友人が自分の首を刃物で切って自殺した、と言うのです。理由は思い当たらないけれど、二人きりでダイニングルーム(私たちも毎回食事をしていた部屋)にいる時に、突然刃物で自殺したので、警察には自分が疑われた、と。話の感じから、この友人は薬物中毒でラリってたんだと思いましたが。

部屋の壁や床、ダイニングテーブルも全て新しくしたんだ、と。

こんな話を、電話の電波が入らない田舎にポツンと建っている家で、よく知らない人から聞いたら、皆さんどう思います?私の頭の中では「本当にあんたが殺したんじゃないのね?」と言う恐ろしい疑惑でした。第一、そんな事故があった家にわざわざ来たくなかったですし。

彼はそれから心理カウンセラーに通ったりしたらしいですが、まだ辛いと。自殺未遂も一度あったと。

その次の晩は、父親に毎日暴力を受けていた話をしました。そして、暴力を受けた子供がその子供に同じことをしてしまう、と言う暴力の負の連鎖がよく言われるが、そんなの嘘だ、と。自分の兄弟は皆暴力を受けて育ったが、誰も自分の子供に手を上げない、と。自分がされて嫌だったことを、なぜ自分の子供に繰り返すのか、と。

一旦は感心して「それはいい話ですね」と言ってはみたものの、私自身、育児鬱があったと思うので、分からない人には分からないよな、と聞き流しました。

こういった、一方的な頑固オヤジ風の哲学をあれこれ聞かされうんざりしていましたが、私の子育ての話までしつこく批判され続けるの参りました。何のためにウーフィングをしているのか、よく分からなくなってしまいました。

そして、私がもうウーフを続けたくないので帰ります、と伝えた時、「俺は過去にあんなに辛い思いをして、今でも辛いのに、置いてきぼりにするのか」という滅茶苦茶な発言を始めました。

奥さんはまだ数日帰らないし、今夜俺は自分に何をしてしまうか分からない。危険だから、拳銃も身近に置かないようにしているんだ。いや、心配することはない。これから起こることは、あなたには全く責任がないと覚えておいてくれ、と。俺が死んでも、あなたは気にすることないから、と。

3、4日だけ一緒にいただけの私への依存度が尋常ではなく、その異常な発言を延々と聞きながら、「何か変だと思ったけど、やっぱりすぐに立ち去った方がいい」と判断し、子供たちに「すぐに荷物をまとめて」と指示し、10分後には車でその家を去りました。

一応、「今回は残念だけれども、色々勉強になりました。ありがとうございました」とハグをしました。暴れ出されては危険だと思ったからです。

真っ暗な山道を必死で運転し、車通りのある国道まで出た時に車を停め、ネットで50キロほど先にあるホテルを予約したのでした。

 

さて、この男性が自殺してしまったらどうしよう、と心配していましたが、翌朝には、私のウーフのプロフィールに悪いレビューを投稿していました。まあ、死なないでいてくれて何よりです。

 

せっかくの休みがこんな風になってしまい残念でしたが、子供達が無事で良かったです。今考えているのは、この事をウーフの団体に報告するべきではないか、と言う事です。

このホストの男性の話では、怒って出て行くウーファーがいたり、クレージーだ、と捨て台詞を言った失礼なウーファーがいた、とのことですから、色々と問題があったのでしょう。しかし、そういった悪いレビューがウーフのプロフィールページに見られなかったのはどうしてでしょうか。おそらく、彼のどこか恐ろしい面を感じ取り、怒らせてはいけない、と思ったり、旅を続けるウーファーたちにとって、悪いレビューを書く時間すらもったいなかったりするのでしょう。

でも、次の犠牲者を出さないために、私にはどこかに報告する義務があるかも知れません。来週にでも、大学の相談窓口などに相談してみようかと思っています。

 

今回の反省は、もっと早く、直感に従って退去しなかったことです。