国と軍隊
先日、息子の学校で就職と進学フェア、のようなものがあり、行ってきました。
大学で行きたい学部があるのなら、こんな科目を高校でとっておかないといけませんよ、とか、先生や大学の人たちが説明をしてくれます。
デザイン学校や、建築、配管工などの職業訓練校のブースもありました。
しかし、大変驚いたのは、軍隊のジュニア版、カデットのリクルートブース。
名護でも自衛隊の勧誘ポスターなんか街中で見かけましたが、公立高校の進路についてのイベントに、自衛隊のブースが出ることはちょっと考えられません。
近所のスーパーでもらうレシートの裏には、いろいろ広告が印刷されています。
この、cadet というのは、ボーイスカウトの軍隊バージョンのようなもので、13歳以上だと参加できます。給料は出ません。
パレード参加や、軍隊の練習みたいなことをして、規律的な生活を学んだり、リーダーシップのスキルを身につけられますよ、ということのようです。
どうやら、クラスを受講したり、ある年齢に達したりすると、給料がもらえるオフィサーに応募できるようです。
軍隊を身近に感じてもらい、若者に兵士を職業としても考えてもらえるような工夫なんだと思います。
日本は「軍隊」へのアレルギーがありますから、このように軍事を当たり前のように考える社会を見ると驚きますし、どう考えればいいんだろう、と戸惑います。
異文化って疲れるぜ、という話
何人かのお友達に、「ブログ全然書いてないじゃん」と指摘されてしまいました!
色々話はあるんですが、怠けてしまってます。ご心配いただきありがとうございます!
最近困っているのは、2ヶ月前に引っ越した新しい部屋がうるさい、ということです。
ニュージーランドの建物、って、見かけは良くても、まるで工作みたいにいい加減なところが多いようです。
私たちの部屋は、一軒家の一階部分。二階には別の家族(たち)が住んでいます。
不動産エージェントの最初の説明では、二階にはインド人夫婦と幼児が住んでいる、ということでしたが、後で分かったのは、二組の夫婦と幼児が住んでいるということでした。
外見は新しい家なのですが、壁や天井もうすいのか、全ての音が聞こえます。
カーペット部分はましなのですが、フローリング部分を歩く足音は、裸足の足が床を離れる、ネチョ、っという音まで聞こえます。
会話もヒンディーなので内容は分かりませんが、とにかく全て。
スカイプで会話するのも相手の声まで聞こえてきます。
それに加え、女性の一人は、まるで喧嘩をしているかのような怒鳴り調子で話します。
インドは子供にうるさくしつけをしない文化、と言われていますが、幼児もおもちゃをガンガンと床に叩きつけても親は止めないようです。
それから、見る映画、聴く音楽は、全てインドのもの。
あまりにひどい時は、エージェントに注意してもらいました。
でも、「きっとお話しして仲良くなれば、相手も分かってくれるはず」と、二階と電話番号を交換したりしました。
それで子供の床叩きがひどい、ある晩、
「ハロー!できれば、少し静かにしてもらえますか?」
と携帯にメッセージを送りました。
返信はなく、電話番号、聞き間違えたかな?と思っていました。
それからまた、テレビがうるさい時に電話をしてみたら電話を取らず。
ああ、やっぱり番号が違うんだな、と思っていました。
すると、長いメッセージが。
「子供がうるさくするをどうやって止められるんだ、馬鹿(stupid).
意味不明な (lame) 苦情ばかり言ってくるんじゃねーよ」
的な文面。
エージェントに転送して、「こんなひどいメッセージを受け取った」と伝えても、「俺にとっては、ひどい文面じゃない。あなたは女性だから、びっくりしているだけじゃないの」と。
まあ、まあ、こんな感じで、非常にストレスでした。
また引っ越す方がいいと思いましたので、大変面倒ですが、次の家を探しているところです。
それで、一連のトラブルの結果、私はもうインド的なものにアレルギー反応を示すようになってしまった、ということです。
大好きなインド料理さえ、なんだか食べる気が失せてしまいました。
インド音楽、お香、ヒンディーの響き、街ですれ違う上の住人に似たインド人、全てがうんざりです。
きっと人種差別主義者っていうのも、こんな経験をいくつかしたらあり得るな、と実感しています。
幸い私には、素晴らしいインド人の友人がいるので、「まあ、どこの国にも色々いるだろうね」と思うことができますが。
異文化体験は、「きゃー、面白ーい!」というものではなくて、なかなかイライラするもんだと思います。
それでも、このイライラする違和感と不快感を乗り越えて、違いを認め合わないといけない、っていう話なんでしょうね。
やれやれ。修行が足らんです。
火事なのに、「避難したいなら年休使って」
オークランドの観光名所の一つ、スカイタワー横に建築中だった国際会議場で昨日の午後1:15に火事が発生しました。
今朝、タワー近くを高速道路を通ったら、まだ黒い煙が出続けていていて、20時間以上も燃え続けてる!とびっくりしていましたが、30時間経った今も、まだ鎮火できていません。
オークランド中心部は、煙の匂いがしていて、大気汚染の注意報が出ています。
さて、上の記事。
この火事現場に隣接するビルで働いていた人たちは、オフィスに強い煙の匂いがしてきたことに気づいたそうです。
それでもそのまま避難せず、火事発生から1時間半が経過してからやっと別の場所に一旦避難。
すぐに社員を帰宅させた部署、「上司の指示を待とう」と待たされた部署、そして何と「帰宅する場合は年休 (annual leave) を使うこと」と人事課に言われたところがあったそうです。
年休を使って、と言われ、帰る人はいなかったそうです。
そして火事発生から2時間半経過して、帰宅しても勤務扱いになるという決定があり、社員は帰宅。
ケチな会社!
従業員も、会社のために頑張る気はなくなるね。
有毒ガスも発生していたから、早く火から離れた方が良かったと思いますが、会社の指示が遅く、社員側も上司のご機嫌を損ねたくなかったんでしょうか。
幸い、人がいない建築現場が火元だったせいか、死者は出ていません。
大学内での対立いろいろ
香港の最近の対中国感情に関して、留学生同士でも言い争いがあって、
「押し倒された」
「いや、自分で道に寝転んだんじゃないの」
みたいなことがあり、警察が呼ばれたそうです。下のビデオだと自分で転んだようにも見えますが。
下の記事のビデオ、日本でも観れるかわかりませんが、今月に入っても続いているようです。
留学生たちにとって、特に香港からの留学生たちにとっては、安易な気持ちで政治的意見をデモンストレーションしている訳ではありません。
留学期間が終わった時に香港がどのような場所になっているか、という問題は、香港に帰るか、違う国に仕事を探すか、という深刻な問題なのです。
国際政治だけでなく、国内の人種問題について、副学長も批判の的になっています。
事の発端は、白人至上主義グループが校内のあちらこちらに貼った、張り紙やスティッカーにあります。これらの張り紙にあるウェブサイトを開くと、「白人の男たちの手に、我々のニュージーランドの主導権を取り戻そう」といったメッセージが書かれた白人至上主義的団体のウェブページになります。
この件について学生発行の学内雑誌のインタビューに副学長が答え、「表現の自由を守る観点から剥がすつもりはない」と話しました。
これに対し、副学長を批判する公開状が提出され、この批判の意見文には教授たちも含む450人の署名がされているそうです。
私ももちろん、人種差別は間違っていると思いますので、このようなスティッカーを貼る団体は恐ろしいと感じます。
ただし、大学、という学問をする場所ですので、「白人至上主義が生まれる理由」、「表現の自由と思想の自由はどう違うのか」、といったテーマを学生たちで議論していくことができるといいと思います。
もちろん、それぞれの立場の人たちがかなり頑固に信念を持っているはずですので、話しあいにならないかもしれませんが、何か生まれるかもしれません。
差別主義者の張り紙を剥がす、ということは、状況を少しも良くしません。