学校に金持ちの子が多いか、貧乏人の子が多いかがすぐにわかる
ニュージーランドに来て家探しをする時、不動産の広告に、物件が校区になっている学校のリストが載っているんですが、"decile rating" というのが必ず付いていて、学力テストのランキングかな、とぼんやり思っていたんです。
そうしたら、人に「decile ratingは8以上じゃないと、荒れてるから気をつけてね」と言われて調べてみると、何と、学力ではなくて生徒の家庭の経済力を表す数字だったんです。
公立校は政府から補助金を受け取っていますが、1から10まであるランクで、10はあまり補助金を受け取らず、1は他のランクの学校より多額の補助金を受け取っている、ということらしいのです。これは、生徒の家庭の収入のデータから政府が決めるランクです。
その数字がなぜ不動産の広告に載っているかを考えると、「貧乏人が多い地域=荒れた学校」、「金持ちが多い地域=落ち着いた学校」という意味しか思いつきません。政府も、なぜこのランキングを公表するのでしょうか。
不思議なもので、初めてこのシステムを知った時には吐き気がしましたが、皆が当たり前のようにこのランキングを受け止めているのを見ていると、「まあ、そんなもんか」と思うようになってきました。
でも、やっぱり酷い。この露骨なランキング、悪い影響はあっても、いいことは何一つない。日本で受験がある学校の偏差値を公表する方がずっとマシだと思いました。